海外展開トピックス

ドライアイス製造機

ドライアイス製造機の比較

■ドライアイス製造機の種類

ドライアイス製造機は、製造規模・形状・設置形態によって大きく3つに分類されます。

① 大型据置型ペレタイザー

・製造能力:80〜1,090 kg/h

・生成形状:ペレット(直径3〜16mm)

・対象:ドライアイスブラスト洗浄業者、医薬品・食品の大量輸送拠点など

・代表製品株式会社レゾナック・ガスプロダクツ「ICE TECH PRシリーズ」(80〜750 kg/h)、岩谷産業株式会社 ペレット製造設備

・特徴:製造能力は圧倒的に高いが、大型の据置設備。専用インフラと広い設置スペースが必要。

 

② ブロック製造機(手動式)

・製造速度:約80〜90秒/個(手動)

・生成形状:ブロック(例:140×85×85mm)

・代表製品福島DI工業株式会社「JET MD-1100」

特徴:本体9kgで電源不要。最も持ち運びが容易で、サイフォン付き炭酸ガスボンベがあれば即使用可能。

手動操作のため連続大量製造には不向き。

 

③ 小型製造機(電動・自動)

・製造速度:最大4個/分(機種による)

・生成形状:プレート状

・代表製品:ドライアイスステーション・D-ICE

・特徴:電動油圧プレスによる高密度成形と自動化を両立。大型据置型に比べてコンパクトで、キャスターにより現場内での移動も可能。液化炭酸ガス(LGC容器)と電源(三相200V)があればどこでも使用 できる。

 

■ドライアイスとは

ドライアイスは二酸化炭素(CO₂)を固体にしたもので、温度は−78.5℃です。通常の氷と異なり、融けても液体にはならず、直接気体(CO₂)に変わります。この現象を「昇華」と言います。

・温度:−78.5℃

・冷却能力:1kgあたり約630kJ(150kcal)

・昇華後の体積:気体になると固体時の約750倍に膨張

・外観:乳白色・無臭

 

■ドライアイスの製造原理

ドライアイス製造機を正しく選ぶためには、まず製造の仕組みを理解しておくことが重要です。

基本フロー

  1. 液化炭酸ガス(LGC容器)を接続
    魔法瓶構造の超低温液化炭酸ガス専用容器(LGC容器)を装置に接続します。一般的な高圧ガスボンベとは構造が異なる専用容器が必要です。
  2. 液化炭酸ガスを噴射・膨張
    冷却された機器内部に液化炭酸ガスを噴射すると、大気圧下で急激に膨張し、自身の温度が凝固点(−78.5℃)を下回ることで粉末状のドライアイス(スノー状CO₂)が生成されます。
  3. 油圧プレスで圧縮成形
    粉末状のドライアイスを油圧プレスで圧縮し、固形のブロック(プレート状)に成形します。
  4. 製品排出
    成形されたドライアイスが排出されます。

製品仕様まとめ比較表

比較項目 伸栄工業

小型ドライアイス製造機

山岡金属工業

D-ICE(OEM)

福島DI工業

MD-1100

タイプ 電動・自動 電動・自動 手動
電源 要問合せ 三相200V 不要
本体サイズ 755×552×H990mm 同等(OEM) L190×W180×H510mm
本体重量 非公開 同等(OEM) 9 kg
インゴットサイズ 150×75×25mm 薄型プレート 140×85×85mm
インゴット重量 300g/個 非公開 1,100〜1,200g/個
密度 1.45〜1.55 kg/L 高密度 1.0〜1.1 kg/L
製造速度 非公開 最大4個/分 約80〜90秒/個
変換効率 非公開 最大44% 非公開
LGC1本の製造数 約220個 約250個 非公開
操作 ボタン操作 タッチパネル 手動
移動性 要確認 キャスター付き 手持ち可能
販売・レンタル 販売・レンタル 販売 販売
冷却ウェア連携
大量

 

■導入目的別の選び方のポイント

ポイント① 使用目的は?

・熱中症対策(冷却ウェアへの充填)が主目的(ここも)
→ プレート状が必須。電動自動3機種が対象。冷却ウェアとの組み合わせで、35℃超の環境でも2〜3時間の冷却効果を維持できる。

・食品・医薬品の保冷・輸送が主目的
→ ブロック形状で対応可能。質量の大きなMD-1100や大型ペレタイザーも選択肢に入る。

・ドライアイスブラスト洗浄が目的
→ ペレット(直径3〜16mm)が必要なため、レゾナック・ガスプロダクツなどのペレタイザー型が適切。

・実験・研究用途(少量・スポット利用)
→ 電源不要・軽量のMD-1100で十分な場合が多い。

 

ポイント② 必要な製造量・頻度は?

・1日あたり数個〜数十個の少量利用
→ 手動式のMD-1100(約80秒/個)で対応可能。初期費用を大幅に抑えられる。

・1日あたり100個以上の連続製造が必要
→ 最大4個/分の電動自動機が必要。

・季節性が高く、夏季のみ集中的に使用したい
→ **レンタル対応製品(櫻製作所・伸栄工業)**を活用することで、オフシーズンの保有コストを回避できる。

 

ポイント③ 設置場所・電源環境は?

・三相200Vが引けない場所
→ 電源不要のMD-1100が選択肢となる。発電機との組み合わせも要検討。

・設置スペースが限られている
→ フットプリントの小さい伸栄工業機(755×552mm)が有利。

・工場・倉庫・固定施設内での定常使用
→ 三相200Vが確保できる環境であれば、電動自動機の導入がしやすい。

 

ポイント④ 密度・冷却性能は重要か?

成形密度は冷却持続時間・強度・ハンドリング性に直結します。

製品 密度 特性
伸栄工業 1.45〜1.55 kg/L 昇華が最も遅く長持ち
福島DI工業 MD-1100 1.0〜1.1 kg/L 電動プレス機より低め。冷却時間は短め

密度が高いほど空気との接触が抑えられるため、昇華(気化)の進行が遅くなり、長時間冷たさを維持できます。長時間の屋外作業や精密な温度管理が求められる用途では、この密度の差が実用上の大きな違いになります。

 

■主な活用シーン

産業・製造現場での熱中症対策

・製鉄・鋳造・溶接など高温作業環境

・建設・土木工事の屋外作業

・化学・素材メーカーの防爆・粉塵エリア(電動ファン付きウェアが使用不可の場所)

・製薬・食品工場の衛生管理区域

電動ファン付き作業服は35℃を超えると効果が限定的になりますが、−79℃のドライアイスを活用した冷却ウェアは高温環境でも安定した効果を発揮します。また電気回路を持たないため防爆エリアでも使用可能です。

 

レジャー・サービス施設

・ゴルフ場のキャディ・コーススタッフ

・テーマパーク・アミューズメント施設の従業員

・野外フェス・スポーツイベントのスタッフ・警備員

・夏季仮設工事・現場事務所

 

医療・食品物流

・医薬品・血液・ワクチンの低温輸送時の補充

・高級食材の産直・冷凍配送における保冷補強

・食品製造工場での急速冷却補助

 

研究・実験施設

・大学・研究機関での寒剤調合

・低温化学反応環境の維持

・生体試料の保存・搬送補助

 

■「外部調達」vs「現地製造」のコスト比較

外部購入調達の主なコスト

・ドライアイス購入単価

・配送・輸送費用

輸送中・保管中の昇華ロス(条件次第で20〜30%以上になることも)

・在庫管理・発注業務の人件費

・繁忙期の緊急調達コスト・過剰在庫廃棄コスト

 

現地製造のコスト構造

・装置の初期導入費用(またはレンタル料)

・液化炭酸ガス(LGC容器)の調達費用

・電力費用

・定期メンテナンス費用

 

現地製造が有利になりやすいケース

・年間を通じて定常的に使用する(週5日以上)

・現状の昇華ロスが大きい(輸送距離が長い・保管時間が長い)

・急な需要増減が多い

・夏季に需要が集中し、繁忙期の調達が不安定

 

■安全に使用するための注意事項

主なリスクと対策

・凍傷リスク
−79℃の極低温です。必ず手袋を着用してください。

・酸欠・CO₂中毒リスク
密閉空間や換気の悪い室内での大量使用は、CO₂濃度の急上昇を招きます。屋内使用時は十分な換気を確保し、CO₂濃度計・酸素濃度計の設置を推奨します。

・密閉容器への保管禁止
気化したCO₂により内圧が急上昇し、破裂の危険があります。通気性のある容器で保管してください。

・LGC容器の適切な取り扱い
一般高圧ガスボンベとは構造が異なります。産業ガス事業者の指導に従って取り扱ってください。

参考:労働安全衛生法に基づく酸素欠乏症等防止規則(厚生労働省)

 

■まとめ

用途・状況 おすすめ製品
冷却ウェア連携・大量連続製造・高変換効率 櫻製作所 ドライアイスステーション
コンパクトサイズ優先・高密度 伸栄工業 小型ドライアイス製造機
屋外レジャー・飲食施設向け販売ルート 山岡金属工業 D-ICE
電源不要・少量・スポット利用 福島DI工業 MD-1100
大量ペレット製造・ブラスト洗浄用途 レゾナック・ガスプロダクツ ICE TECH PRシリーズ

 

ドライアイスステーションに関するご相談・お問い合わせは、株式会社 櫻製作所まで。
〒532-0022 大阪市淀川区野中南2丁目7番12号
TEL:06-6302-5321

本コラムの情報は2026年5月時点のものです。各製品の仕様・価格・販売状況は変更される場合があります。最新情報は各メーカー公式サイトまたは弊社営業窓口にお問い合わせください。

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