コラム

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酷暑と熱中症予防~気温の変化から事例・対策まで~

【第一部】酷暑と熱中症

近年、日本各地で「観測史上最高」という言葉を耳にする機会が増えました。夏の暑さは年々厳しさを増し、熱中症は誰にとっても身近なリスクとなっています。全2部構成の第一部では、気温変動の背景から熱中症の基礎知識、国の対策や義務化の動きまでを整理してご紹介します。

■酷暑とは?

気象庁では、気温の高さの目安として「夏日(最高気温25℃以上)」「真夏日(最高気温30℃以上)」「猛暑日(最高気温35℃以上)」といった予報用語を定めています。近年はこれらの基準を超える記録的な暑さが相次いだことから、日本気象協会が2022年頃から独自に「酷暑日(最高気温40℃以上)」という表現を使い始め、社会的に広く定着しました。日本国内で40℃以上を観測した事例は、1875年の統計開始以降2022年8月時点で計67回にのぼり、その約9割が2001年以降に集中しています。2018年以降は毎年のように40℃以上が観測されており、2025年には40℃以上を観測した地点数の延べ合計が過去最多となりました。こうした社会的な浸透度の高さを受け、気象庁は2026年に「酷暑日」を正式な予報用語として採用しています。猛暑日と酷暑日はわずか5℃の差ですが、深部体温の上昇や脱水の進行速度は大きく異なるとされ、酷暑日となる日はより一層の警戒が必要です。

参考:ウェザーニュース|酷暑と猛暑の違いとは https://weathernews.jp/news/202607/140131/ 参考:EGマーケティング|酷暑日とは?猛暑日との違い・気温の基準・暑さへの備え https://www.egmkt.co.jp/column/consumer/10389/

■近年の気温変動

地球規模での気温上昇は年々顕著になっています。気象庁の観測によると、世界の年平均気温は1891年から2024年にかけて長期的に上昇傾向にあり、特に1990年代半ば以降は高温となる年が多くなっています。2024年の世界の平均気温偏差は+0.62℃で、統計開始以降もっとも高い値を記録しました。こうした地球全体の気候変動が、日本の猛暑や熱中症リスクの増加にも直結しています。

参考:気象庁|世界の年平均気温 https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_wld.html

■日本の気温上昇の推移

日本国内でも気温上昇は顕著です。気象庁のデータによると、1898年から2025年までの日本の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながらも長期的には100年あたり1.44℃の割合で上昇しています。2025年の平均気温偏差は+1.23℃で、統計開始以降3番目に高い値となりました。特に2024年は+1.48℃と過去最高を記録しており、近年の夏の厳しさを裏付けています。また2025年6月の日本の平均気温偏差は+2.34℃と、統計開始以降もっとも高い値を更新しました。

参考:気象庁|日本の年平均気温 https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_jpn.html 参考:気象庁|日本の6月平均気温 https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/jun_jpn.html

■ヒートアイランド現象

ヒートアイランド現象とは、都市部にできる局地的な高温域のことを指します。郊外に比べて都心部ほど気温が高くなり、等温線が都心部を取り囲む島のような形になることからこの名前が付けられました。アスファルトやコンクリートの蓄熱、エアコンの室外機や自動車からの排熱、緑地の減少などが主な要因とされています。実際に、都市化の影響を受けやすい東京の年平均気温は過去100年で約3℃上昇しており、都市化の影響が比較的少ない地方都市の1.5℃上昇と比べて、大きな上昇幅となっています。

参考:東京都熱中症対策ポータル|気温の上昇 https://wbgt.metro.tokyo.lg.jp/heatstroke/climate/

参考:埼玉県 環境科学国際センター

■ラニーニャ現象

ラニーニャ現象とは、太平洋赤道域の中央部から東部にかけての海面水温が、平年より低い状態が1年程度続く現象です。この現象が発生すると、日本付近では夏に太平洋高気圧が強まりやすくなる傾向があり、暑い夏になりやすいとされています。冬は寒さが厳しくなる傾向もあり、気温の変動幅が大きくなりやすい点が特徴です。

■エルニーニョ現象

エルニーニョ現象は、ラニーニャ現象とは逆に、太平洋赤道域の中央部から東部にかけての海面水温が平年より高い状態が続く現象です。エルニーニョ現象が発生すると、日本付近では夏の太平洋高気圧の張り出しが弱まりやすく、冷夏になりやすい傾向があるとされています。ただし、近年は地球温暖化による気温の底上げがあるため、エルニーニョ・ラニーニャいずれの年であっても猛暑となるケースが増えています。

■熱中症とは?

熱中症とは、高温多湿の環境に体が適応できずに起こる、様々な健康障害の総称です。体内の水分・塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能がうまく働かなくなったりすることで発症します。めまいや立ちくらみ、筋肉のけいれん、頭痛、吐き気、倦怠感といった症状から、重症化すると意識障害や高体温を引き起こし、命に関わることもあります。屋外での運動時だけでなく、室内で安静にしているときでも発症する点に注意が必要です。

参考:環境省熱中症予防情報サイト https://www.wbgt.env.go.jp/

■国の対策

国は熱中症対策として、環境省と気象庁が連携して「熱中症警戒アラート」を発表しています。これは2021年から本格運用が始まった仕組みで、府県予報区等内のいずれかの暑さ指数(WBGT)観測地点で、翌日または当日の日最高暑さ指数が33に達すると予測される場合に発表されます。さらに2024年からは、より危険度の高い状態を知らせる「熱中症特別警戒アラート」の運用も始まりました。これは都道府県内すべての観測地点で日最高暑さ指数が35以上になると予測される場合に発表される、最上位の警戒情報です。

参考:環境省|熱中症特別警戒アラート及び熱中症警戒アラートの運用について https://www.env.go.jp/press/press_04076.html

■熱中症義務化とは?

「熱中症義務化」とは、2025年6月1日に施行された改正労働安全衛生規則により、職場における熱中症対策が事業者に対して罰則付きで義務付けられたことを指します。これまで努力義務にとどまっていた熱中症予防が、法令上の明確な義務として規定されました。対象となるのは、暑さ指数(WBGT)28度以上または気温31度以上の環境下で、連続1時間以上、あるいは1日4時間を超えて行われることが見込まれる作業です。事業者には、熱中症のおそれがある労働者を早期に発見して報告する体制の整備と、作業からの離脱・身体の冷却・医師の診断など、症状悪化を防止するための措置の手順をあらかじめ作成し、周知することが義務付けられています。違反した場合は、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

参考:厚生労働省|職場における熱中症対策の強化について https://www.mhlw.go.jp/ 参考:ベリーベスト法律事務所|【2025年6月施行】熱中症対策義務化 https://corporate.vbest.jp/columns/9581/ 参考:社会保険労務士法人ヒューマンテック経営研究所|職場の熱中症対策が義務化されました https://www.human-tech.co.jp/column/2629/

■熱中症での年間の死亡者推移

厚生労働省の人口動態統計によると、熱中症による死亡者数は年による変動があるものの、長期的には増加傾向にあります。特に猛暑となった年には死亡者数が大きく増加する傾向があり、政府広報オンラインによれば、近年の熱中症による死亡者数は5年移動平均で1,000人を超える高い水準で推移しています。職場に限っても、令和6年の熱中症による死傷者数は1,257人(前年比約14%増)にのぼり、熱中症関連の死亡者数は3年連続で年間30人を超えました。高齢化の進行に伴い、65歳以上の高齢者が死亡者全体に占める割合が高い点も特徴です。

参考:厚生労働省|熱中症による死亡数 人口動態統計(確定数)より https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/necchusho24/index.html 参考:政府広報オンライン|熱中症特別警戒アラートとは? https://www.gov-online.go.jp/article/201206/entry-9584.html 参考:ベリーベスト法律事務所|【2025年6月施行】熱中症対策義務化 https://corporate.vbest.jp/columns/9581/

■熱中症になりやすい環境

熱中症は、気温・湿度・輻射熱(日差しやアスファルトからの照り返し)・風速の4つの要素が重なることで発症リスクが高まります。具体的には、気温や湿度が高い日、風が弱く熱がこもりやすい日、日差しが強い屋外や、締め切った屋内、エアコンのない部屋、車内などが挙げられます。また、急に暑くなった日や、屋外から屋内、あるいはその逆に環境が急変する場面も注意が必要です。工場や建設現場など、高温多湿になりやすい作業環境では特にリスクが高くなります。

参考:環境省熱中症予防情報サイト|暑さ指数(WBGT)について https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php

■熱中症の災害化

近年、熱中症は単なる健康問題にとどまらず、「災害」として扱われるほど深刻化しています。総務省消防庁の報告によると、記録的な猛暑となった2018年には、6月から9月の期間だけで全国の熱中症による救急搬送人員が92,710人に達しました。こうした状況を受け、熱中症は自然災害に匹敵する社会的リスクとして認識されるようになっています。2024年5月から9月の全国の救急搬送人員も97,578人にのぼり、前年同期より6,111人増加しました。

参考:環境省|熱中症環境保健マニュアル https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_1-3.pdf

■暑熱順化

暑熱順化とは、体が徐々に暑さに慣れていくことで、発汗や血流の調整機能が向上し、熱中症になりにくい体づくりができる仕組みのことです。暑熱順化には数日から2週間程度かかるとされ、ウォーキングや軽い運動、入浴などで意図的に汗をかく習慣をつけることが有効とされています。特に梅雨明け直後など、急に気温が上がる時期は体が暑さに順化しきれていないため、熱中症のリスクが高まる点に注意が必要です。

■注意すべきこと

熱中症を予防するうえでは、こまめな水分・塩分補給、無理のない服装選び、適度な休憩とエアコンの活用が基本となります。喉の渇きを感じる前に水分を摂ること、気温だけでなく湿度やWBGT値を確認すること、屋内であっても油断しないことが重要です。また、高齢者や子ども、持病のある方は自覚症状が乏しいまま重症化することがあるため、周囲の見守りも欠かせません。熱中症警戒アラートが発表された日や、酷暑日・猛暑日が予想される日は、不要不急の外出や激しい運動を控えることも大切な対策のひとつです。

■熱中症の予防対策(HEAT)

熱中症予防の基本的な考え方は、頭文字をとって整理すると分かりやすくなります。

H(Hydration・水分補給):喉が渇く前に、こまめに水分と塩分を補給します。

E(Environment・環境管理):室温・湿度を確認し、エアコンや扇風機で環境を整えます。

A(Acclimatization・順化):暑さに体を慣らす期間を意識的に設けます。

T(Timing・行動のタイミング):気温が高い時間帯の活動を避け、休憩をこまめに取ります。

この4つの観点を日常生活や作業現場に取り入れることで、熱中症のリスクを大きく減らすことができます。

■熱中症の事例

熱中症は職場、学校、家庭、スポーツの現場など、あらゆる場所で発生しています。厚生労働省の資料によると、2018年の人口動態統計では、熱中症による死亡者のうち家庭(庭を含む)での発生が56.5%を占めており、特に高齢者が室内でエアコンを使わずに熱中症になるケースが目立ちます。また職場では、屋外の建設現場だけでなく、通気性の悪い工場や倉庫、厨房といった屋内環境でも熱中症による労働災害が発生しており、令和6年には職場での熱中症による死傷者数が1,257人にのぼりました。

参考:環境省|熱中症環境保健マニュアル https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_1-3.pdf

■熱中症の応急処置

熱中症が疑われる場合は、迅速な対応が重症化を防ぐ鍵となります。まず涼しい場所へ移動させ、衣服を緩めて体を冷やすい状態にします。首・脇の下・太ももの付け根など、太い血管が通る部位を、保冷剤や濡れタオルで集中的に冷やすことが効果的です。意識がはっきりしていて自力で水分を摂れる場合は、経口補水液やスポーツドリンクで水分と塩分を補給します。一方で、意識障害がある、自力で水分を摂れない、けいれんが見られるといった場合は、ためらわずに救急要請を行うことが重要です。

■熱中症の影響、後遺症

重症化した熱中症は、命に関わるだけでなく、回復後も後遺症が残ることがあります。高体温による臓器へのダメージが大きい場合、脳や腎臓、肝臓などに機能障害が残るケースが報告されています。特に高体温の状態が長く続いた重症例では、記憶障害や運動機能の低下など、中枢神経系への影響が懸念されます。軽症であっても、体力の消耗や脱水による倦怠感が数日続くことがあるため、症状が治まった後も無理をせず、十分な休養をとることが大切です。

■熱中症になりやすい方

熱中症のリスクは体質や生活状況によって大きく異なります。高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくく、体内の水分量も少ないため重症化しやすい傾向があります。乳幼児は体温調節機能が未発達で、体重に対する体表面積が大きいため熱を吸収しやすいという特徴があります。そのほか、持病(心疾患・糖尿病・腎疾患など)がある方、肥満傾向にある方、睡眠不足や体調不良の方、暑さに慣れていない方(暑熱順化が済んでいない方)も、熱中症になりやすいとされています。

第一部では、気温上昇の背景から酷暑・猛暑の用語の違い、熱中症の基礎知識、国の義務化の動きまでを整理しました。第二部では、地域や企業の具体的な対策事例と、熱中症対策商品の基礎知識についてご紹介します。

【第二部】熱中症における地域・企業の対策事例と対策商品の基礎知識

■地域の熱中症対策事例

2024年4月1日に改正気候変動適応法が全面施行され、市町村は熱中症特別警戒情報の発表期間中に「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」を開放することが定められました。公民館や図書館などの公共施設、ショッピングモールや薬局といった民間施設が指定され、誰でも無料で涼をとれる場所として活用されています。そのほか、栃木県佐野市の「涼み処事業」や、埼玉県熊谷市・所沢市における暑さ指数の見える化、東京都世田谷区の「熱中症予防お休み処」など、地域の実情に合わせた独自の取り組みも各地で広がっています。高齢者世帯を対象にエアコンの設置費や購入費の一部を助成する自治体もあり、熱中症弱者への見守り・声かけ活動と組み合わせた対策が進められています。近年の酷暑日の増加を受け、こうした地域単位での対策の重要性は一層高まっています。

参考:独立行政法人環境再生保全機構|指定暑熱避難施設について https://www.erca.go.jp/heatstroke/shonetsu/ 参考:気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)|熱中症に関する自治体の取組・動向 https://adaptation-platform.nies.go.jp/climate_change_adapt/heatstroke/hs-local.html

■企業の熱中症対策事例

2025年6月1日の改正労働安全衛生規則の施行を受け、多くの企業が職場での熱中症対策を強化しています。建設現場や工場では、WBGT計を用いた作業環境の常時監視、始業前のバイタルチェック、作業時間の分散、休憩室・クールダウンスペースの設置などが進められています。また、電動ファン付きベストやドライアイスベストといった身体冷却ウェアの支給、経口補水液の常備、緊急連絡網や搬送手順の整備など、「見つける」「判断する」「対処する」の3段階を意識した体制づくりが広がっています。屋外作業が中心の建設業だけでなく、通気性の悪い工場や倉庫、厨房といった屋内職場でも同様の対策が求められている点が、今回の法改正の特徴です。特に酷暑日・猛暑日が予想される日は、作業時間の短縮や中止判断をあらかじめルール化しておく企業も増えています。

参考:厚生労働省|職場における熱中症対策の強化について https://www.mhlw.go.jp/ 参考:株式会社 櫻製作所|屋外現場の熱中症対策を徹底解説 https://www.sakuraseisakusho.co.jp/heatstrokeprevention_outdoor_column/

■熱中症対策の方法(人/ペット)

人の熱中症対策の基本は、こまめな水分・塩分補給、通気性の良い服装、適切な休憩、そして冷却グッズの活用です。屋外での作業や外出時にはWBGT値を確認し、警戒アラートが出ている日や酷暑日が予想される日は無理をしないことが大切です。

一方、犬や猫などのペットも熱中症になります。人間よりも地面に近い位置にいるため、アスファルトからの照り返しの影響を強く受けやすく、また全身が被毛で覆われているため体温調節が苦手です。散歩は気温の低い早朝や夜間に行う、留守番中は室内のエアコンをつけておく、新鮮な水をいつでも飲める状態にしておくといった配慮が、ペットの熱中症予防には欠かせません。

■熱中症対策商品にはどんなものがあるか

熱中症対策商品は多岐にわたり、身につけるウェアラブル系(電動ファン付きベスト、ドライアイスベスト、ペルチェ服、水冷服)、日常的に使う小型グッズ(ハンディファン、冷却タオル、経口補水液・塩分タブレットなどの食品)、環境そのものを冷やす設備(スポットクーラーや大型冷風機などの空調機器、遮熱材)、そして体調を見える化するデバイス(体温管理・温度管理ウォッチなど)に大別できます。用途や現場の状況に合わせて、これらを組み合わせて活用することが効果的です。特に酷暑日が続く現場では、単体の対策ではなく複数の商品を組み合わせた「多層的な対策」が重要になります。

■熱中症対策商品のメリット・デメリット

熱中症対策商品は、手軽に導入できる点が大きなメリットです。ドラッグストアや量販店、通販で入手でき、比較的低コストで対策 が始められます。一方でデメリットとして、商品によっては効果の持続時間が限られる、バッテリーや消耗品の管理が必要、屋外の高温多湿環境では効果が限定的になる場合がある、といった点が挙げられます。根本的に作業環境の気温を下げたい場合は、空調設備の導入など、商品と設備投資を組み合わせた対策が有効です。

・電動ファン付きベスト

電動ファン付きベストは、ベストの背面や腰部に小型ファンを内蔵し、外気を服の中に取り込むことで汗を気化させ、体を冷やす仕組みの製品です。屋外の建設現場や工場などで広く普及しており、バッテリーで長時間稼働できる点が特徴です。比較的軽量で動きやすい一方、湿度が非常に高い日は気化冷却効果が下がりやすい、ファンの駆動音が気になる、といった声もあります。

・ドライアイスベスト

ドライアイスベストは、ベスト内側のポケットにドライアイスを収納し、脇の下や首元など血管が集中する部位を集中的に冷やすことで、効率よく体温上昇を抑える製品です。電源が不要なため、電源確保が難しい屋外現場やイベント会場でも活用しやすい点がメリットです。一方で、ドライアイスは−79℃という極低温のため、必ず作業着やインナーの上から着用し、素肌に直接触れさせないよう注意が必要です。また、昇華の際に二酸化炭素が発生するため、密閉空間や換気の悪い場所、車内での保管・使用は避ける必要があります。酷暑日のように気温そのものが極端に高い環境では、ドライアイスの持つ強力な冷却力が特に有効とされています。

参考:株式会社 櫻製作所|屋外現場の熱中症対策を徹底解説 https://www.sakuraseisakusho.co.jp/heatstrokeprevention_outdoor_column/

・ペルチェ服

ペルチェ服は、電流を流すと片面が冷え、反対面が発熱する「ペルチェ素子」を利用した冷却ウェアです。ボタン一つで冷却のオン・オフを切り替えられる手軽さがあり、ファン式に比べて風の発生がないため、粉塵や薬品を扱う現場でも使いやすいという特徴があります。一方で、バッテリー消費が比較的大きく、連続稼働時間が短めになる場合がある点には注意が必要です。

・水冷服

水冷服は、専用のポンプで冷却水をウェア内のチューブに循環させ、体を直接冷やす仕組みの製品です。冷却効果が高く、気化冷却が効きにくい高湿度環境でも安定した冷却が期待できる点が強みです。半面、専用のクーラーユニットやバッテリー、チューブ一式が必要となるため、他の冷却ウェアと比べて装備がやや大がかりになりやすい傾向があります。

・ウォッチ

熱中症対策向けのウォッチ型デバイスは、心拍数や体表温度、活動量などを計測し、熱中症のリスクが高まるとアラームやスマートフォン通知で知らせてくれる製品です。作業員一人ひとりの体調変化を客観的なデータとして把握できるため、建設現場など複数人が同時に作業する現場での安全管理に活用されています。

・食品

熱中症対策には、経口補水液やスポーツドリンク、塩分タブレット、塩飴といった食品も有効です。汗とともに失われる水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質を補給できる点がポイントです。工場内の作業では、喉が渇いていなくても20分ごとにコップ1杯(150〜200ml程度)の水分をとることが推奨されています。ただし、一度に大量の水だけを摂取すると体内の塩分濃度が下がる「水中毒」のリスクもあるため、塩分とのバランスを意識することが大切です。

・ハンディファン

ハンディファンは、手のひらサイズの小型扇風機で、外出先や通勤・通学時の暑さ対策として広く普及しています。首かけタイプやクリップタイプなど形状も多様で、持ち運びやすさに優れる点が魅力です。一方で、送風による涼感が中心のため、気温そのものを下げる効果はなく、酷暑日・猛暑日の屋外では効果が限定的になる点には留意が必要です。

・空調機器

工場や倉庫、屋内の作業現場では、スポットクーラーや業務用大型冷風機、全体空調の整備といった空間全体を冷やす対策も重要です。個人が身につける冷却グッズと異なり、複数人が同時に涼をとれる点や、休憩スペースを効果的に冷やせる点がメリットです。導入コストや電気代はかかるものの、根本的に作業環境の気温を下げられるため、酷暑日が続く時期でも安定した効果が期待できます。

・遮熱材

遮熱材は、屋根や壁、窓などに用いることで太陽光の熱を反射・遮断し、建物内への熱の侵入を抑える資材です。工場の屋根やプレハブ現場事務所、テント、ビニールカーテンなどに遮熱シートを設置することで、室内の温度上昇を緩和できます。空調機器と組み合わせることで、冷房効率を高める効果も期待できます。

・デバイス(体温管理、温度管理)

近年は、ウェアラブル端末で深部体温や心拍変動を推定し、熱中症のリスクをリアルタイムで可視化するデバイスも増えています。個人の体調管理だけでなく、複数の作業員のデータを管理者側で一元的に把握できるシステムと連携させることで、現場全体の安全管理に役立てる企業も増えています。

■購入場所

熱中症対策商品は、ホームセンターやドラッグストア、作業服・安全用品の専門店、家電量販店などで購入できます。また、Amazonや楽天市場などの通販サイト、メーカーの公式サイトからも購入可能です。企業として大量に導入する場合は、法人向けに販売しているメーカーや専門商社に直接問い合わせることで、まとめ買いによるコスト削減や、現場の課題に応じた提案を受けられる場合があります。

■購入方法

個人で使う小型グッズであれば、店頭や通販サイトで手軽に購入できます。一方、企業が従業員向けにまとまった数量を導入する場合は、見積もり依頼や試供品での試用を経てから本導入するケースが一般的です。特にドライアイスベストのように運用ノウハウが必要な商品は、メーカーに直接相談することで、使用方法の説明や安全上の注意点についてもあわせて確認できます。

■購入のハードル

熱中症対策商品の導入にあたっては、初期費用やランニングコストのほか、「本当に効果があるのか分からない」「自社の現場に合うか判断が難しい」といった不安の声も少なくありません。特に電動ファン付きベストや水冷服はバッテリーや専用機器が必要なため、充電・メンテナンスの手間も検討材料になります。こうしたハードルを下げるために、レンタルサービスやお試し導入プランを用意しているメーカーもあり、まずは小規模に試してから本格導入を検討する方法も有効です。

■導入後の効果事例

熱中症対策商品を導入した現場では、体調不良を訴える作業員の減少や、休憩時間の効率的な運用、作業員の安心感の向上といった効果が報告されています。特にドライアイスベストや電動ファン付きベストの導入により、酷暑日が続く夏でも継続して業務を行えるようになったという声や、WBGT計と冷却グッズを組み合わせることで、熱中症の疑いがある症状を早期に発見できるようになったという事例が見られます。効果を実感するためには、単に商品を配布するだけでなく、使用方法の周知や、こまめな休憩ルールとあわせて運用することが重要です。

■機能性

熱中症対策商品を選ぶ際は、冷却方式(気化式・ペルチェ式・水冷式・ドライアイス式など)による冷却力の違いや、稼働時間、対応する気温・湿度の範囲を確認することが大切です。現場の作業内容によって求められる機能性は異なるため、動きの多い作業には軽量なファン式、高湿度環境や酷暑日には水冷式やドライアイス式など、用途に応じた使い分けが効果的です。

■便利性

装着のしやすさ、バッテリーの持続時間、充電のしやすさ、サイズ調整のしやすさなど、日々の運用のしやすさも重要な選定ポイントです。特に複数人で使用する現場では、着脱が簡単で、洗濯や保管がしやすい製品の方が継続利用につながりやすい傾向があります。

■清潔性

汗をかく夏場に使用するウェアだからこそ、清潔に保てるかどうかも見逃せないポイントです。インナーが洗濯可能かどうか、抗菌・防臭加工が施されているかどうか、複数人で共用する場合の衛生管理のしやすさなどを確認しておくと安心です。

■耐久性

現場で繰り返し使用する道具である以上、耐久性も重要な選定基準です。ファンや配線部分の防水・防塵性能、生地の摩耗しにくさ、洗濯耐性などを確認し、長期間安定して使用できる製品を選ぶことで、結果的にコストパフォーマンスも高まります。

■使用用途

熱中症対策商品は、建設・製造業などの屋外・屋内作業、農作業、スポーツ・部活動、イベント運営、日常の通勤・通学、レジャーなど、様々な場面で活用されています。使用シーンによって求められる性能は異なるため、「長時間の重作業向け」「短時間の外出向け」など、目的に合わせて商品を選ぶことが大切です。

■価格

熱中症対策商品の価格帯は幅広く、ハンディファンや塩分タブレットなどの小型グッズは数百円から数千円程度で購入できます。一方、電動ファン付きベストや水冷服、ペルチェ服といった本格的な冷却ウェアは、本体とバッテリーを合わせて数千円から数万円程度が目安となります。企業で大量導入する場合は、まとめ買いによる割引や、法人向けプランを活用することでコストを抑えられる場合があります。

■持ち運びやすさ

現場を移動しながら作業する方や、外出先での利用を想定する場合は、持ち運びやすさも重要な選定基準です。ハンディファンや塩分タブレットのようにコンパクトなものは携帯性に優れる一方、水冷服のように専用機器が必要な製品は、持ち運びよりも据え置きでの使用に向いています。用途に応じて、携帯性と冷却力のバランスを見極めることが大切です。

■熱中症のガイドライン

熱中症対策の指針としては、環境省の「熱中症予防情報サイト」で公開されている暑さ指数(WBGT)の活用ガイドラインや、「熱中症環境保健マニュアル」、「夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン」などが参考になります。WBGTは気温・湿度・輻射熱を総合的に評価する指標で、「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」の5段階で、日常生活や運動の目安が示されています。職場においては、2025年6月施行の改正労働安全衛生規則に基づき、WBGT28度以上または気温31度以上の環境下での作業に対する具体的な対応が義務付けられています。近年は酷暑日という新たな気温区分が加わったことからも分かるように、暑さのリスクは年々更新されています。これらのガイドラインを参考にしながら、自組織の実情に合わせた対策を講じることが求められます。

参考:環境省熱中症予防情報サイト|暑さ指数(WBGT)について https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php 参考:環境省熱中症予防情報サイト https://www.wbgt.env.go.jp/

特に、屋外での長時間作業や酷暑日が続く現場では、体を直接冷やす対策が有効です。株式会社櫻製作所では、脇下・首元の血管が集中する部位を効率よく冷やす「氷点下ベスト®」(株式会社チクマとの共同開発)や、現場でドライアイスを製造できる可搬型の「ドライアイスステーション」をご用意しております。電源不要で屋外現場やイベント会場でも導入しやすく、酷暑日のように気温そのものが極端に高い環境でも安定した冷却効果が期待できます。

「自社の現場にどの対策が合うか分からない」「まずは試してみたい」という方は、ぜひお気軽に株式会社櫻製作所までお問い合わせください。現場の状況やご予算に合わせて、最適な熱中症対策をご提案いたします。

株式会社 櫻製作所 公式サイト:https://www.sakuraseisakusho.co.jp

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